今回体験談を語ってくれたのは(Iさん・26歳)。
ハタチのころに経験した片思いについて語ってくれました。
好きな人は幼馴染。ぶっちゃけ運命感じてた。
ハタチのときに好きだった人は、幼馴染の男の子でした。
幼稚園から中学校までずっと同じクラスの腐れ縁。高校は女子校に進んだので離れたけれど、彼は同じ最寄駅を使用する近所の男子高に通っていて、通学中に顔を合わせることがしょっちゅうありました。
学生時代はお互いに恋人がいて、恋愛対象ではありませんでした。友達として特別仲がよかったわけでもありません。
高校卒業後は専門学校へ進みました。偶然、彼も同じジャンルの別の専門学校へ通っていることを人伝てに知ります。共通の知り合いも多いので、彼がどんな状況なのかはなんとなくいつも耳に入ってきました。
専門学校2年になると、就職先を選択する時期になります。わたしは就職を機に上京を希望していたので、自分で選んだ会社へ面接を受けて、合格しました。そのころ長年付き合っていた恋人と別れたり、別の恋をしたり、最後に学校のみんなと思い出づくりをしたりと忙しくしていて、彼の存在を思い出すことはありませんでした。
そんな中、地元の同窓会が開かれました。集まり方はまあまあでしたが、仲の良かった子が幹事をやっていたので参加しました。そこで彼と久しぶりの再会。同じ系統の専門学校へ通っていることは知っていたので、「就職先決まった?」「卒業できそう?」などの会話をしました。彼はこのとき就職先は決まっていないと言っていて、わたしは決まった会社の名前を教えました。半分冗談で、「一緒に働こうよ」と言いました。彼は笑いながら「いやだよ、どんだけずっと一緒なんだよ」と言っていました。
春になり、無事に専門学校を卒業したわたしは、社会人となりました。スーツに身を包んで、憧れの会社の入社式に参加するため駅で電車を待っていました。
すると駅のホームにスーツを着た彼が立っていました。「よぉ。入社式一緒にいこうぜ」と彼は言ってきました。わけがわからず「どこ駅までいくの?」と聞くと、「お前と一緒」といたずらそうに笑いながら答えました。
彼は同窓会の後に就職先を決め、わたしをびっくりさせたかったのか、わざわざ言うまでもなかったのか、当日まで黙っていたようです。まさか本当に同じ会社に就職するとは思っていなかったので、とてもびっくりしました。
こんなことされると、キュン、とときめくのが少女漫画のお決まりですが、当時わたしには恋人がいて、彼はただの幼馴染だったのでときめきはありませんでした。けれど知り合いがいることでの安心感を覚えたことはたしかです。
入社してからは、これまでの学生時代と変わって、年齢も出身地もまったくバラバラの人が集まる環境の中で生活をするので、同じ場所から出てきた昔から顔馴染みである彼がいることが心強かったし、かなり心を許す存在になっていきました。
入社当初付き合っていた恋人も、仕事の忙しさや環境の変化によりすれ違いでお別れしていました。会社の同期会や親睦会などの飲み会があると帰り道はふたりきりになることが多く、わたしは彼を意識するようになっていきました。
「こんなにずっと一緒の環境にいて、偶然いまも同じ場所で毎日過ごせていて、お互い恋人もいない。こんなん好きになるに決まってる、、、」
そう思いはじめたら気持ちは止まりませんでした。
お互いなんとなく恋愛話をする相手ではなく、これまでの彼の恋愛遍歴は知りませんでした。
どんな子がタイプなのか、いま好きな人はいるのか、わたしのことはどう思っているのか、気になり出したらすべて知りたくなりましたが、今さら改まって聞くことができませんでした。
わたしはなるべく彼と一緒にいる時間を増やしたくて、彼の残業が終わるのを待って一緒に帰り、会社の飲み会が企画されると必ず彼を誘いました。なんだかんだ彼も付き合ってくれるので、嫌がられてはないと思っていました。
彼はわたしのことをずっと『腐れ縁』だと周囲に話していました。会社の人にもなにかとセットで扱われることが多く、でも恋愛関係にはならないわたしたちを表すにはぴったりの言葉だったかもしれません。
飲み会の帰り道でのキス
彼を意識しはじめて数ヶ月経ったころ、わたしは会社の飲み会でかなり酔っ払ってしまい、彼に自宅の前まで送ってもらいました。
お酒が入っているのもあり、まだ帰りたくないという気持ちが強まっていて、いろんな話題を振って彼を引き止めていました。
「もう帰ろうよ」と言いつつも付き合ってくれる彼にわたしは甘えていたし、調子に乗っていました。
「好き」と言って彼に抱きつくと「やめろって」と肩を掴まれましたが、顔を近づけるとキスをしてくれました。「社内恋愛はしたくないんだよ…」と言いながらも笑ってくれたのを覚えています。けれどこれが最初で最後のキスでした。

